
なぜ、立地診断というのか?
最近、診療圏分析と称し地図上に、目安の円線を引き、その範囲の人口を基にいとも簡単に推計患者数を弾き出したものを診療圏分析と推奨しているのをよく見かけます。
しかし、実際に開業後の患者さんの住所をマッピングすると、来院する患者さんのエリアはまったく違ってきます。その結果、予測通りの患者さんが望めず最悪は閉院するというような状況を招きかねません。
どうしてその様なことになるのでしょうか?
それは、実際に当該開業地に出向き、次の調査項目がなされていないからです。
◆当該立地に住んでいる生活者の動線の確認
◆立地の接道が国道、県道、市道、流通幹線道路、生活幹線道路等の確認
1.流通幹線道路で片道2斜線以上・・・診療圏が分断される
円線の中央に道路が位置する場合は、進行方向左側しか見込めない
2.生活幹線道路で片道1車線・・・その地域に住む住民が良く通る
クリニックの認知が早い
その立地を説明しやすい
◆診療圏範囲内の人口密集度、年齢階級別人口と昼間人口の把握が実際とずれる
以上、代表的な項目を挙げましたが、これらの情報を総括することで生活圏内のマグネット(吸引要素)とバリア(分断要素)を明確にし、アメーバ状の診療圏を予測していきます。
机上の無料診療圏分析などのコストをかけず行なう結果を基に開業立地を判定するのは、例えていうならばとりあえず「売薬」を飲むようなものです。一時的に症状が消えても本質的な解決にはならないのです。詳細な検査・診断に基づく「処方薬」をきちんと服用することが、完全に症状を消し去ることにつながります。
実際に多角的に調査を行う診療圏立地診断こそが真の診療圏分析といえるのです。
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